No.1529 2017/07/07(金)
クサギカメムシ
三島小の校庭でイヌツゲの未熟な果実に虫がついていた(写真1)。クサギカメムシの幼虫である(写真2)。体長約1センチで、翅(はね)はない。腹部背面の模様や各脚にある白い斑紋が特徴的だ。 クサギカメムシはさまざまな植物の果実の汁を吸う。この幼虫はイヌツゲの果実を抱えるようにして細長い口を突き刺している(写真3)。正面から見ると、頭部や胸部、そして脚に多数の棘(とげ)があるのが目立つ。その姿はカニに似ていると思う。 拡大してみるとクサギカメムシの口の作りがよく見える(写真4)。カメムシ類の口は二重のストローのようになっていて、外側の管を「口吻(こうふん)」、内側の管を「口針(こうしん)」と呼ぶ。果実の汁を吸うのは口針であり、口吻は餌に口針を突き刺す際のガイドの役目を持っている。写真では細い毛のような口針と、その後方に折れ曲がった口吻が見える。 (尾崎煙雄)
写真3
写真4
イヌツゲ Ilex crenata(モチノキ科)
クサギカメムシ Halyomorpha halys(カメムシ科)