No.1549 2017/09/15(金)

 クワコの幼虫


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 三島小の校庭にて。どこからか種子が運ばれたのか、校舎の脇にヤマグワの若木が生えている。その葉の上にイモムシがいるのに気がついた(写真1)。白っぽい身体に3対の目玉模様。尾端近くには短い棘がある(写真2)。これはクワコ(クワゴともいう)というガの幼虫だ。蚕(カイコ)はこのクワコをヒトが家畜化したもの。つまりクワコはカイコの祖先である。
 撮影のため枝ごと採集して来たら、身体の前半分をまっすぐに持ち上げて静止し、枝のふりをしている(写真3)。幼虫の身体の後半部には5対の腹脚があり、しっかりと枝をつかんでいる(写真4)。家畜化されたカイコは腹脚が退化していて、このようにしっかりと枝をつかむことができない。このあたりに野生種と家畜種の違いが表れている。
 この幼虫、翌週にはヤマグワの葉を巻いて繭を作っていた(写真5)。繭の色はカイコのような純白ではなく黄色がかっている。このクワコのことを三島小の用務員さんにお話しして、草刈りの時に気をつけてくださるようお願いしたところ、クワの枝に目印の札を取り付けて守ってくださった(写真6)。こういう風に対応してくださるところが三島小のすばらしい点だ。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3

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写真4

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写真5

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写真6

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 ヤマグワ Morus australis(クワ科)

 クワコ(クワゴ) Bombyx mandarina(カイコガ科)

 


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