No.1550 2017/09/15(金)

 ヤマビルの卵


dummy

 8月7日に元清澄山でみつけたヤマビル(写真1)。普通のヤマビルと違い、こちらから近寄っても吸血しようとする気配がない。身体も太く、おそらくすでに吸血した直後なのだと思われた。吸血後のヤマビルは産卵することが知られているので、このヤマビルを採集して飼育していた。飼育といっても餌を与える必要もなく、落ち葉と共に容器に入れて乾燥しないように保って置いただけ。
 そのヤマビルが期待通り産卵した(写真2)。写真を見ればおわかりいただけるだろうが、ヤマビルの卵は美しい。直径1センチほどの球形の卵は、正確には「卵嚢(らんのう)」と呼ばれ、いくつかの卵の塊の周囲をガラス細工のような透明な「殻(から)」が覆っている。不快な吸血生物として忌み嫌われるヤマビルだが、この卵嚢を見ると優雅な生きものに思われてくるから不思議だ。
 (尾崎煙雄)

dummy
dummy
写真1
dummy
dummy
写真2
dummy
dummy

 ヤマビル Haemadipsa zeylanica japonica(ヒルド科)

 


ニュース一覧へもどる