No.1559 2017/10/27(金)

 リンドウ


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 写真1は万華鏡をのぞいたところのように見えるが、そうではない。これはリンドウの花だ。三島小の校庭の土手に咲いていた(写真2)。
 リンドウの花は筒状になっていて、中心に雄しべや雌しべがある(写真3)。その花を真上からのぞき込むと写真1のように見える。花の中心の一番奥のあたりに蜜を出す蜜腺(みつせん)がある。放射状の模様は、花を訪れる昆虫に対して蜜のありかを指し示す案内標識の役目なのだろう。
 リンドウの花は両性花だが、雄しべと雌しべは同時に成熟しない。写真の花の場合、5本の雄しべが中央に集まっている。雌しべは雄しべの下に隠れていて、まだ未熟だ。やがて雄しべがしおれ、それと交替するように雌しべが伸びる。これを「雄性先熟(ゆうせいせんじゅく)」といって、同じ花の中で自家受粉を避ける巧妙な仕組みだ。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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 リンドウ Gentiana scabra(リンドウ科)

 


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