No.1583 2018/2/21(水)

 ヒメコマツとタイミンタチバナ


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 ヒメコマツの調査のために君津市清和の山中に入った。絶滅が危惧されるヒメコマツ個体群を保全するために毎年行っている調査である。定点観測しているヒメコマツは今年も元気な様子で安心した(写真1)。
 近くに生えているヒメコマツの実生(種子から芽生えた若い木)も順調に生長している(写真2)。この日は地元出身の大学生が調査を手伝ってくれた。
 ヒメコマツのすぐ近くにタイミンタチバナが生えている(写真3)。タイミンタチバナは東アジアの亜熱帯を中心に分布する常緑広葉低木で、房総丘陵はその分布の北限である。おもに温帯に分布し、温暖な気候を好まないヒメコマツと、亜熱帯植物のタイミンタチバナが共存するのはとても珍しい光景で、房総丘陵の特徴といえる。
 タイミンタチバナの桃色のつぼみがふくらんでいた(写真4)。3月には開花するだろう。

 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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写真4
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 ヒメコマツ Pinus parviflora var. parviflora(マツ科)

 タイミンタチバナ Myrsine seguinii(ヤブコウジ科)

 


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