No.1510 2017/04/16(日)
ニワハンミョウ
清和県民の森の舗装道路上をちょこまかと歩き回る昆虫を見つけた。ニワハンミョウだ(写真1)。体長は2センチ弱。 近縁のナミハンミョウ(単に「ハンミョウ」とも呼ばれる)はカラフルで美しいことで知られる(写真2)。どちらも身近に観察できる甲虫だが、ナミハンミョウに対して、ニワハンミョウは地味な印象がある。 しかし間近でじっくり観察すると、ニワハンミョウにも捨てがたい美しさがあると思う(写真3)。一見すると全身がくすんだ褐色に見えるが、見る角度によって微妙に変化する青や緑の光沢を帯び、脚には赤味を帯びた光沢がある。翅の中央付近にある白い斑紋も意味ありげな形で、アクセントが効いている。艶やかな色使いのナミハンミョウを加賀友禅にたとえるなら、ニワハンミョウの味わい深さは大島紬とでもいうべきか。 (尾崎煙雄)
写真3
ニワハンミョウ Cicindela japana(ハンミョウ科)
ナミハンミョウ Cicindela japonica(ハンミョウ科)