No.1511 2017/04/21(金)

 キュウリグサ


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 君津市立三島小学校の校庭でキュウリグサを撮影した(写真1)。キュウリグサは校庭や道端や公園など、至るところに生育する身近な草だ。草丈10〜20センチほどで、細い茎に小さな葉がまばらにつく。花も小さく直径2ミリほどしかないので、写真を撮るのが難しい。全体に弱々しく存在感の薄い植物だが、その花をよく見ると可憐で美しい。
 花をカメラの性能の限界までクローズアップしてみた(写真2)。空色の5枚の花びらの中央に黄色いドーナツ状のふくらみがあり、半透明の質感はまるで砂糖菓子のようだ。大きさを別にすれば、近縁のワスレナグサの花に似ている。
 キュウリグサの花にはもう一つおもしろい特徴がある。写真3には花が2つ写っている。これは写真右手から伸びている茎の先端近くに咲いた花だ。その花の左方向に茎は続き、その先端はくるりと丸まっている。ぜんまいのようにも見えるし、犬の尻尾のようにも見える。丸まった茎には花のつぼみが並んでいて、先端に近いほどつぼみは小さい。キュウリグサの花は、ぜんまいがほどけるように茎の先が伸びるにつれて根元側から順々に咲いていくのだ。くるりと巻いた茎の先をサソリの尾に見立てて、このような花の付き方を「さそり型花序」という。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2 雌花
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写真3 雄花
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 キュウリグサ Trigonotis peduncularis(ムラサキ科)

 ワスレナグサ Myosotis scorpioides(ムラサキ科)

 


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