No.1630 2018/8/10(金)

 クロオオアリとアミメアリ


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 鴨川市内の夜の山にて。夜の森で昆虫採集をしていたら、地面に転がったクロカミキリの死体にアリが群がっていた(写真1)。クロカミキリの体長は約2センチ。アリの方は1センチほどのクロオオアリである。アリとしては大型のクロオオアリの強力な顎(あご)をもってしても死んで間もないクロカミキリの身体は手強いとみえて、なかなか食いちぎれずにいるようだ(写真2)。
 ところがしばらくして同じ場所に戻ってみると、クロカミキリの死体には別の小さなアリが群がっていた(写真3)。体長2ミリ半ほどのアミメアリだ(写真4)。
 いつの間に選手交代したのかと思って周囲をみると、クロオオアリの死体が転がっていた(写真5)。どうやらアミメアリの集団が体長で4倍もあるクロオオアリを倒して餌を乗っ取ったようだ。身体の大きさより個体数の多さが勝ったということか。

 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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写真4
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写真5
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 クロカミキリ Spondylis buprestoides(カミキリムシ科)

 クロオオアリ Camponotus japonicus(アリ科)

 アミメアリ Pristomyrmex punctatus(アリ科)

 


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