清澄山系にて。山道脇のスギの木のうろにニホンミツバチが営巣していた(写真1)。
うろの出入り口には数十匹のハチが出入りしており、コロニーが活発に活動しているようだ。餌集めの帰りと見られる働きバチも脚に花粉団子を着けて次々と巣に入っていく(写真3)。花粉まみれのハチが出入りしているせいか、出入り口周辺の樹皮は黄色く汚れている。
そこへ1匹のスズメバチが飛んできた(写真4)。大きさと複眼の間の色から判断してコガタスズメバチのようだった。スズメバチ類の何種かはミツバチの天敵で、集団で巣を襲うことがある。一方、ニホンミツバチはスズメバチの攻撃に対して集団で反撃し、スズメバチを撃退することも知られている。
この日飛来したスズメバチは1、2匹だけだったので、おそらくミツバチの巣を偵察に来ていたのだと思われる。それだけでもミツバチにとっては脅威だろう。巣口に陣取ってあまり動かなかった十数匹の働きバチが、スズメバチが近づくと一斉に翅を振るわせ、お尻を激しく振るようすが何度も見られた(写真5)。おそらく見張り番役の働きバチなのだろう。
(尾崎煙雄) |