No.1640 2018/9/21(金)

 増水した川をのぞく


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 夏の川遊びや秋の紅葉狩りなどで川に行くことも多いだろう。房総丘陵を源とする大きな川(夷隅川、養老川、小櫃川、小糸川、湊川)は、房総丘陵をつくる三浦層群や上総層群と呼ばれる地層を削って流れている。写真1は養老川中流(大多喜町葛藤)で、「養老渓谷」として親しまれている場所だが、砂岩泥岩互層(泥岩と砂岩が交互にたまった地層)が河床や河岸の崖に出ている。河床の出っぱっているところが泥岩でへこんでいるところが砂岩だが、増水すると見事にその凹凸に沿って流れが波立つ。写真2は同じく養老川のより下流の市原市田淵( “チバニアン”の露頭としてよく知られている)の河床だが、ここは泥岩だけでできている。ここでは規則的な波立ちが見られない。当たり前といえば当たり前なのだが、そもそもあの凹凸がどうやってできるのか考えてみたくなる。

 (岡崎浩子)

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 写真1−1 増水する前(9月14日)
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写真1−2 増水中(9月21日)
 泥岩層の部分で流れる水が引っかかるかのように直線状に波立つ
 養老川中流(大多喜町葛藤、上総層群大田代層)
 
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写真2−1 増水する前(9月14日)
一様な泥岩層が見られる。
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写真2−2 増水中
増水した水面は河床に転がっていた大きな石のところで波立つ
養老川中流(市原市田淵、上総層群国本層)
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