No.1654 2018/12/05(水)

 クモラン


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 房総丘陵の一角にて。木の幹に着生したクモランを見つけた(写真1)。
 クモランは木の幹等に着生して生きる着生ランの一種で、とても小型。左右に展開したクモの脚のように見えるのは葉ではなく根だ。このランは変わり者で、葉は退化しており、代わりに根が扁平なテープ状になって光合成を担っている。花は6〜7月頃に咲くが、この日は長さ5ミリほどの果実が6つも実っているのが見られた。
 クモランは福島県以南の日本と朝鮮半島、中国、台湾、熱帯アジアからオセアニアという広い分布域を持つが、千葉県はその北限に近い。県内では生育地が少なく、『千葉県レッドリスト植物・菌類編2017年改訂版』では「最重要保護生物」に指定されている。栽培は困難であるにもかかわらず盗採の可能性があるため、ここでは詳しい場所は紹介できない。

 (尾崎煙雄)

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写真1
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 クモラン Taeniophyllum glandulosum(ラン科)

 


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