No.1662 2019/1/23(水)

 鯨島


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 房総丘陵の川は山を深く削り込みながらくねくねと曲がっていて、穿入蛇行(せんにゅうだこう)といわれる(写真1)。上流部の山は安房層群と呼ばれる400〜600万年前の砂岩と泥岩の地層でできていて、比較的削られやすいことからこのような地形ができる(写真2, 3)。川の中には時々、湾曲する河道によって取り残されたような島がみられる。三島湖の「清和県民の森 スポーツ広場」のある “鯨島”もその一つだ(写真4)。このあたりの川は、古い地図(明治15年)(写真5)と比較すると複雑な変遷(人工改変)を経てきたことがわかる。

 (岡崎浩子)

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写真1
小糸川上流の湾曲する河道とその背後に崖のようにそびえる河岸
(君津市豊英、2018年12月21日)
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写真2
三島湖周辺に見える安房層群の砂泥互層。
木の葉が落ちた冬場は絶好の地層観察シーズンだ。
(君津市正木)
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写真3
安房層群の砂泥互層の近接。
白っぽい層が泥岩で薄灰色の層が砂岩。
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写真4a
県立清和県民の森の看板(君津市鯨島)。
看板の中の「現在地」をみると、たまご形の鯨島の地形がわかる。
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写真4b
ここには南東にある橋を渡って入る。
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写真5
迅速測図「笹村」の一部。赤丸をつけたところが鯨島(?)。
周りは川の氾濫原湿地で鯨島のあたりはそれより少し地形が高くなっている。
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