No.1669 2019/2/16(土)

 梅ヶ瀬渓谷


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 梅ヶ瀬渓谷(君津市)で観察会「山のたんけん部2」を行った。梅ヶ瀬渓谷は上総層群梅ヶ瀬層(約90万年前)という地層が川(養老川支流)で削られてできた渓谷である。梅ヶ瀬層は砂岩層と泥岩層が交互に積み重なってできている(写真1)。この地層がたまった頃このあたりは深い海で、泥がたまる海底に地震時などに海底土石流で浅い海の砂が運ばれてきていた。砂岩層の中には縞模様がみられる(写真2)。この砂岩は比較的柔らかく、くずれるとサラサラとした砂にもどり、河床を覆っている(写真3)。その河床の砂にも川の流れが作った縞模様がみられ、先ほどの地層の模様も流れでできたものである(写真4)。地層の中からみつかる化石には浅い海の貝化石も含まれ(写真5)、サラサラとした砂はやはり浅い砂浜からやってきたことを示している。ちなみに観察会のお目当てはこの時期に産卵するタゴガエルでしたが〜〜(写真6)。

 (岡崎浩子)

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 写真1  白っぽいところが泥岩、薄黄色のところが砂岩。
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写真2 砂岩層の中にみられる縞模様。
(線がオレンジ色に見えるのは風化のため)
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写真3
砂岩層が風化や侵食でくずれると川の中にみられるような灰色の砂になる。
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写真4
川の砂の中にみられる縞模様。
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写真5
タマガイの仲間の化石(2018.12.2観察会参加者が採集)。
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写真6
砂岩層の下部にある穴がタゴガエルの産卵場所。
(鎌が置いてある部分は泥岩層)
この日は残念ながら鳴き声だけでした。
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