No.1671 2019/2/21(木)

 ヤドリギの珍しい寄主


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 市原市内でヤドリギの分布調査をしていたところ、珍しい樹木にヤドリギが寄生しているのを発見した(写真1)。お寺の裏山に生える樹高15メートルほどの大きな落葉樹で、遠目には「ケヤキかな」と思われた。千葉県内ではヤドリギはケヤキに寄生する例が最も多い。
 ところがよく見るとケヤキにしては枝振りがおかしい(写真2)。葉があればわかるが、落葉期なので判断できない。しかたなく、この木の根元まで行って確かめることにした。密生した竹藪をかき分けて苦労してたどり着いてみると、直径60センチほどの立派な大木であった(写真3)。特徴的な樹皮からこの木はキハダであることが判明した。
 そもそも千葉県内ではキハダは多くはないが、キハダにヤドリギが寄生しているのは初めて見つけた。小さな発見だが、たくさん調査をしないと気づかない事実である。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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 ヤドリギ Viscum album subsp. coloratum(ビャクダン科)

 ケヤキ Zelkova serrata(ニレ科)

 キハダ Phellodendron amurense(ミカン科)

 


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