No.1679 2019/3/16(土)

 スナヤツメ


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 この時期になると観察したい生き物がいる。それはスナヤツメである。スナヤツメは通常砂の中に潜っており、観察することは困難であるが、この時期は繁殖活動のために砂の中から出てくるため、観察することができる(とは言っても、出会えるかどうかは運次第ではあるが)。この日は運良く出会うことができた。以前の日記にも書いたが、スナヤツメは繁殖が可能になるまでは眼が開いていない。観察できた個体はぱっちりと眼が開いていることからも繁殖可能な成体であることがわかる(写真1、2)。
 スナヤツメには形態的には見分けることが困難であるが、遺伝的には大きく異なる北方種と南方種がいることが知られている。千葉県にはどちらも生息すると言われているが、確かめるためには遺伝的な解析をするしかなく、現在まで千葉県内でどのようにこの2種が分布しているのかは明らかになっていない。この不思議な生き物がどのように分布しているのか興味深い。
 (後藤 亮)

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写真1
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写真2
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 スナヤツメ Lethenteron sp.(ヤツメウナギ科)

 


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