No.1683 2019/3/22(金)

 モクレイシ


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 館山市在住のFさんが花の咲いたモクレイシの枝を持参してくださった。モクレイシは常緑広葉樹で、本州では千葉県と神奈川県の南部、そして伊豆半島にだけ分布する。千葉県内の生育地は館山市と南房総市に限られている。
 モクレイシは雌雄別株で、雄株の枝先には多数の雄花が密集して咲く(写真1)。個々の雄花は直径5ミリほどの小さなもので、5枚の花びらと5本の雄しべがある(写真2)。雄花には独特の匂いがある。どちらかというと悪臭の部類で、同じく早春に咲くヒサカキの雄花の匂いと似ているように感じる。
 雌株にはまばらにしか花がなく、雄株と比べるとずいぶんと印象が違う(写真3)。この雌株の枝はもう花期の終わりに近いようで、花びらの残っている雌花はわずかであったが、よく見ると花の真ん中に雌しべの先端の柱頭(ちゅうとう)が見える(写真4)。
 雌花は目立たないが、秋になると2センチほどの俵型の果実が実る。緑色の果皮の中には鮮やかな赤色の種子が1個ずつ入っていて、とても目を引く(写真5)。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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写真4
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写真5
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 モクレイシ Microtropis japonica(ニシキギ科)

 


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