No.1687 2019/4/7(日)

 キスゲフクレアブラムシ


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 房総丘陵の雑木林にて。ミツバウツギが新葉を開き始めていた(写真1)。3つの小葉が一組で1枚の葉となる「三出複葉(さんしゅつふくよう)」が特徴だ(写真2)。

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写真1
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写真2
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 そのミツバウツギの幹になにやら白っぽい粒のようなものがたくさん付いているのに気づいた(写真3)。近寄って見ると、その正体はアブラムシであった(写真4)。大小混じっていて、大きいものは体長4ミリほど。大きい方は無翅型の成虫、小さい方は幼虫である。

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写真3
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写真4
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 調べてみると、ミツバウツギにはよく似た2種のアブラムシが寄生する。キスゲフクレアブラムシとミツバウツギフクレアブラムシだ。両種の区別点は「角状管(かくじょうかん)」。角状管とはアブラムシのお尻の方に1対ある角状の器官である。これが中央付近で大きくふくれるのがミツバウツギフクレアブラムシ、ふくれないのがキスゲフクレアブラムシ。写真のアブラムシの角状管はふくれていないのでキスゲフクレアブラムシの方だと思われる(写真5)。
 キスゲフクレアブラムシは冬の間はミツバウツギに寄生し、夏にはノカンゾウなどのキスゲ属の草本に寄生する。
 (尾崎煙雄)

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写真5
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 ミツバウツギ Staphylea bumalda(ミツバウツギ科)

 キスゲフクレアブラムシ Indomegoura indica(アブラムシ科)

 ミツバウツギフクレアブラムシ Indomegoura nigrotibiae(アブラムシ科)

 ノカンゾウ Hemerocallis fulva var. disticha(ススキノキ科)

 


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