No.1724 2019/08/17(土)

 小糸川の水位


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 7月と8月の山の学校の観察会は、例年通り清和県民の森の小糸川上流で、川の生きものを観察するという楽しいイベントであった。たった1ヶ月の違いでも、植物や生息する川の生きものの種類に違いが見られた。しかしそれ以上に違っていたのは、小糸川の水位である。

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写真1 梅雨時の雨で川幅いっぱいまで流れる小糸川(2019年7月19日)
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 7月の観察会の頃は、雨の日が続き、例年よりも梅雨明けは遅れそうな気配であった。前日はあやしげな天気であったが、何とか持ち直して観察会を行うことができた。小糸川の河床も、ところどころ深みはあるものの、ふつうに歩いて渡れる水位であったが、川幅いっぱいまで水が流れ、勢いがある感じであった(写真1)。しかしお盆明けの8月17日の観察会の時は、水位が数十センチは下がっているとみられ、場所によっては川床が干上がって、ほとんど流れがなくなっているようなところもあった(写真2、3)。清和県民の森の人の話しでは、梅雨明け以降ほとんど雨が降っていないということで、おそらく最上流部の方でも同じではないかということであった。西日本ではお盆の帰省ラッシュ時に台風が接近して大変だったのに(私もそれに巻き込まれた)、こちらではその影響もほとんどなかったようである。もともと小糸川のように房総丘陵を流れる河川の中〜上流部は、岩盤の河床が平滑で、谷幅いっぱいに水が流れるのが特徴である。水位も浅く、長靴ですいすい渡れてしまうところが多いが、ここまで水位が下がっているのは初めて見たような気がする。

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写真2 水位が下がった小糸川(2019年8月16日)
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写真3 水位の下がった小糸川での生きもの観察会(2019年8月17日)
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 上流で大雨が降ると、川の水位は一気に上昇するので気をつけた方がいいとよく言われる。小糸川も集中豪雨時には水位が数十センチどころか、数メートル上がることもあるらしい。そのようなときには、川の様相は一変するであろう。現河床にも何回かの大雨に対応するような洪水堆積物が見られる(写真4)。川の水位や地形の変化にも注目していきたいと思う。
 (八木令子)

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写真4 曲流した川の滑走斜面にたまった洪水堆積物(小糸川)
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