No.1757 2019/12/21(土)

 ノスリ




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 千葉県で冬によく見られる猛禽類の代表に、ノスリがいる。野を擦るように低空を飛ぶことが、名前の由来と言われている。
 そんなノスリが、比較的高い所を飛んでいた。猛禽類と言うと、ものすごく強い鳥を想像するかもしれないが、しばしばハクセキレイのような小鳥やカラス類にちょっかいをかけられる。この小鳥やカラス類の行動は「モビング」といって、天敵や見慣れない動物を見かけたときに、追い払ったり注意を促したりするために、近くにいる鳥が集団で攻撃したり騒ぎ立てたりするものである。このノスリも、2羽のハシボソガラスにモビングされていた(写真1)。私自身、モビングのおかげでノスリの存在に気づけたことを思うと、周囲に目立たせて注意を促すというモビングの目的は、達成できていると言えるかもしれない。

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写真1.ハシボソガラスからモビングを受けるノスリ
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 モビングを受けたノスリは、カラスたちが諦めてくれるまで逃げ続けるほかない。ようやくハシボソガラスのモビングから解放されたノスリは、遠く離れた電柱の上に止まった(写真2)。ノスリは、農耕地などで主にネズミ類を捕食するタカ類である。高い所から獲物を見つけて狙うために、しばしば電柱や杭などの上に止まる。このノスリは、この後モビングを受けることなく、無事に狩りができたのだろうか。

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写真2.モビングを逃れ、電柱の上に止まるノスリ(赤い矢印で示した一番左の電柱)
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(平田和彦)

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ノスリ Buteo buteo(タカ科)

ハシボソガラス Corvus corone(カラス科)

ハクセキレイ Motacilla alba(セキレイ科)

 


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