教室博日記 No.1760

 2020/01/09(木)

 ヒメフンバエ

 清澄山系にて。休憩中に下ろした荷物にハエが飛んできて止まった(写真1)。真冬に飛ぶハエも珍しいと思い、息を止めてそっと接近した。

1荷物に止まったハエ
  • 写真1

 これはヒメフンバエのようだ(写真2)。体長約1センチ。成虫は他の昆虫を餌とし、幼虫は獣の糞を食べて育つ。学名の「Scathophaga」は「糞を食べる」という意味だ。この付近にはシカやイノシシやキョンの糞が多いので、幼虫はそれを餌としているのだろう。

接近して撮影したハエの写真
  • 写真2

 赤褐色でやや小さめの複眼が左右に離れついており、複眼の間の顔の中央には橙色の帯があって、その先に黒くて太短い触角が「V」字形に生えている(写真3)。胸部の背面や中脚、後脚には黒く長い剛毛がある。前脚の腿節(たいせつ;人の太腿のように見える部分)や腹部に金色の毛が密生しているのは雄の特徴。

さらに拡大してみたハエの写真
  • 写真3

 それにしても、こんな真冬に飛び回って何をしているのだろう。餌になりそうな昆虫も見当たらないのだが。

  • ヒメフンバエ Scathophaga stercoraria(フンバエ科)

(尾崎煙雄)