教室博日記 No.1802

 2020/05/09(土)

 クロミジンムシダマシ

 君津の山中にて。クロミジンムシダマシは枯れ木の樹皮下でよく見かけるミジンムシダマシ科に属する2ミリほどの小さな甲虫だ。ミジンムシダマシ科は日本に1属14種だけが生息する小さな科で、千葉県からはこの1種しか知られていない。

 この虫は数は多いのだが、樹皮下に居ることが多いこともあり、ふつうの人はまず見かけることはないだろう。見つけたとしてもまん丸の黒い粒にしか見えず、種名も聞いたことのない未知の存在に違いない。

 ただの黒い粒のようだが写真を良く見て欲しい。まん丸の体の下からちゃんと触角を出しているのがわかるだろうか。触角のある頭は前胸の下に収まっていて上からは見えない(写真1)。

樹皮下のクロミジンムシダマシ
  • 写真1
  • クロミジンムシダマシ Aphanocephalus hemisphericus(ミジンムシダマシ科)

(斉藤明子)