2020/05/13(水)
水底に写るオオアメンボの影
元清澄山系の沢でオオアメンボを撮影した(写真1)。大型の雄個体は脚を広げると手のひらほどの大きさになる日本最大のアメンボだ。帰ってから写真を見て水底にオオアメンボの影が写ってることに気が付いた。

- 写真1
細いはずの脚が、前脚、中脚、後脚でそれぞれ形の違う大きな影を作っている。太陽の角度によって形は変わるだろうが、特に前脚の影がきれいな円形なのが面白い(写真2)。

- 写真2 水底に写ったオオアメンボの影(青色が前脚、赤色が中脚、黄色が後脚の影)
アメンボは6本の脚の先にある附節と爪を水面に付け、附節に生えている油分を含んだたくさんの毛が水をはじくことで生じる表面張力によって、水面に浮いてスイスイと移動できる。アメンボの脚にはじかれた水面が凹レンズのようになって水底に影を落としているということのようだ。ふだん何気なく見ていた虫でも、写真を撮って初めて気付くことがある。
- オオアメンボ Aquarius elongatus(アメンボ科)
(斉藤明子)