教室博日記 No.1808

 2020/05/19(火)

 クロホソゴミムシダマシ

 大多喜の山にて。アカメガシワの立ち枯れでクロホソゴミムシダマシを見つけた。体長5〜6ミリほどの真っ黒で目立たない甲虫だが、千葉県からはまだこの山でしか見つかっていない(斉藤,2018)。キクイムシのように細長い体をしているが、ゴミムシダマシの仲間だ(写真1)。

アカメガシワの樹皮の割れ目に潜むクロホソゴミムシダマシ
  • 写真1

 しばらく観察していると、キクイムシが開けた穴に興味を示しだし、穴に頭を突っ込んだ(写真2)。

キクイムシが開けた穴に興味を示すクロホソゴミムシダマシ
  • 写真2

 すると穴の入口に甲虫のお尻が顔を出した(写真3)。どうやら覗いていたのは雄、穴の中にいたのは雌のようで、交尾の様子も見られた(写真4)。

穴の入口に顔を出したお尻
  • 写真3
交尾するクロホソゴミムシダマシ
  • 写真4

 この後、雌は穴の中で産卵するのだろうか。この種の雄と雌の出会いを見ることができたが、幼虫はどんな暮らしをしているのだろうか。穴の奥のことは知るすべが無い。

  • アカメガシワ Mallotus japonicus(トウダイグサ科)
  • クロホソゴミムシダマシ Corticeus colydioides(ゴミムシダマシ科)
  • 【引用文献】
  • 斉藤明子(2018): 大多喜町の甲虫3種. 房総の昆虫(63),p.47.

(斉藤明子)