教室博日記 No.1813

 2020/06/04(木)

 サトウヒメハナノミ

 清澄山系の沢沿いで、暗い林床に落ちていた古い広葉樹の朽木のかけら(写真1)にサトウヒメハナノミが集まっていた。

サトウヒメハナノミが集まっていた朽木
  • 写真1

 ヒメハナノミ類は小型(体長約3〜6ミリ)で紋の無い種が多く、未記載種も多いので分類が難しい。その中で、この種は頭が赤く、肩にも赤い紋があるので見分け易い(写真2、3)。

上から見たサトウヒメハナノミ
  • 写真2
横から見たサトウヒメハナノミ
  • 写真3

 ハナノミとは、名前に「ノミ」が付くが、いわゆるノミではなく、ハナノミ科の甲虫だ。つかまえようとすると跳ねるように素早く動き回るので「ノミ」が付いたのだろう。跳ねる上に腹部の先が細長くなっていて、手でつかもうとすると指の間からつるっと抜け出してしまう。特に小型のヒメハナノミ類はとても手では採ることができない。

 これまでも清澄山系で偶然見つけたことはあったが、何頭も集まっているのを見るのは初めてだ。近づくとすぐに飛んでしまうが、あまり朽木から離れる様子はなかったので、こんな古い朽木に産卵に集まっているのだろうか。

  • サトウヒメハナノミ Falsomordellistena satoi (ハナノミ科)

(斉藤明子)