教室博日記 No.1817

 2020/06/12(金)

 謎の物体〜サムライコマユバチの繭〜

 君津の山中にて。林道を歩いていたら、崖の上から突き出た細い枯れ枝についた1センチほどの白い物体に気が付いた。なんだろう、と良く見てみると整然と丸い部屋が並んでいた(写真1)。

小枝に付く謎の物体
  • 写真1

 ハチの巣か?と思ったので、巣を作るハチの研究者に聞いてみたところ、こんな小さな巣を作るハチはいないとのこと。糸を綴って作られていたらコマユバチの繭かも、とのことでこんどは寄生するハチの研究者に聞いてみたところ、サムライコマユバチの一種の繭だろうとのこと。見つけた繭は28個の部屋があったので、28頭のハチが羽化したあとの、フタが取れた抜け殻の繭ということのようだ(写真2〜4)。

上から見た繭
  • 写真2 上から見たところ
下から見た繭
  • 写真3 下から見たところ
横から見た繭
  • 写真4 横から見たところ

 他の昆虫の幼虫(おそらくガの幼虫)に寄生したサムライコマユバチの幼虫が、寄主の体から一斉に出てきたあと、整然と並んで繭をつくる様子を見てみたいものだ。

  • サムライコマユバチの一種 Microgastrinae sp. (コマユバチ科)

(斉藤明子)