2020/08/21(金)
フクラスズメの幼虫
大多喜町の山中にて。林道沿いに生えているナガバヤブマオの群落の中に、フクラスズメの若い幼虫の集団を見つけた(写真1、2、体長約3センチ)。フクラスズメはカラムシなどのイラクサ科を食草とするヤガ科の一種だ(成虫の写真はここ)。

- 写真1

- 写真2
幼虫の集団は、葉を食い尽くすと地面に下りて別の株を探してあたりをうろつくので、毒は無いにもかかわらず人家の近くでは嫌われ者だ。脅かすと体を左右に激しく揺らして威嚇してくる(動画)。鳥などの天敵に襲われないための行動のようだ。
少し離れた場所で6センチほどの終齢幼虫を一匹だけ見つけた(写真3)。若い時は集団で暮らしているのに、他のなかまはどうしたのだろう。成長すると分散するようだが、それにしても若齢の時にあれほどたくさんいたのだから、終齢幼虫がもっと居ても良さそうである。威嚇行動をもってしても、天敵から逃れられるのは少ないのだろうか。生きものは生きていくのがたいへんだ。

- 写真3
- ナガバヤブマオ Boehmeria sieboldiana(イラクサ科)
- フクラスズメ Arcte coerula(ヤガ科)
(斉藤明子)