教室博日記 No.1859

 2020/09/03(木)

 ヒゲクモバチの狩り

 大多喜の山中にて。ヒゲクモバチの一種が、クモを引いて大急ぎで地面を歩いていた。ハチの体長は10ミリ弱、クモはミヤグモの雌の亜成体らしい。クモはハチより大きくて重そうだ(写真)。

ミヤグモを引いて地面を歩くヒゲクモバチの一種
  • 写真1

 クモバチはずっとクモの腹端の糸イボをくわえて早足で引いていた(動画)。クモバチはクモを狩り、それを巣(育室)に運び入れ、クモの腹部に卵を産みつけて幼虫の餌とする。運ばれているクモは麻酔されていてピクリとも動かない。ミヤグモは徘徊するクモではなく、樹皮の下のすき間などに巣を作る。巣に近づいたクモバチを餌にするつもりが逆に襲われたのだろうか。

  • 動画

 ハチは、時々クモから少し離れることもあったが、また戻って一目散に引いていく。行きつく先まで見届けたかったが、後が急斜面となってしまい断念した。目的地の巣の場所がどうしてわかるのだろう。

  • ヒゲクモバチの一種 Dipogon sp.(クモバチ科)
  • ミヤグモ Ariadna lateralis(エンマグモ科)

(斉藤明子)