教室博日記 No.1863

 2020/09/09(水)

 オオスズメバチの謎の行動

 清澄山系にて。林道の真ん中でオオスズメバチの不思議な行動を目撃した。地面にころがっている死にかけのオオスズメバチのそばで、別のオオスズメバチが横たわった仲間を探るようにしてぐるぐると周りながら寄り添っている(写真1)。

死体に寄り添うオオスズメバチ
  • 写真1

 私が近づくと、元気な方の個体は、邪魔をするなという感じでこちらを向いて大顎をガチガチ鳴らして威嚇するが、またすぐに死にかけた個体の周りを回り始める。人間の感覚では、「おい、どうした、しっかりしろ」と寄り添っているように見えてしまうが、昆虫の世界ではそれはないだろう。

 帰りに通りかかった時には、うろついていたスズメバチは居なくなっていた。行きには気が付かなかっただけかも知れないが、近くに別の死体が2匹転がっていた。いったい何があったのだろう。

  • オオスズメバチ Vespa mandarinia(スズメバチ科)

(斉藤明子)