2020/09/17(木)
オオセンチコガネ
大多喜の山中にて。この日、ぶーんと音を立てて輝きながら低く飛ぶオオセンチコガネにいくつも出会うことができた。オオセンチコガネは体長2センチ前後の甲虫で、房総丘陵の森で春から秋まで見られるが、新成虫は秋に現れる。羽化してから間もない新成虫は表面に傷がないので色や光沢が鮮やかで特に美しい。
オオセンチコガネの色彩は、全国的に見ると藍色や緑色から赤色まで地域によって色変わりする。千葉県産は写真1のような赤紫色が多い。千葉で見慣れてしまうと、他の地域の藍色や緑色のオオセンチコガネに憧れるが、深い赤紫から青紫色で大型の千葉県産は、充分に全国で誇れる美しさだ。
こんなに美しいオオセンチコガネだが、獣の糞を餌とするいわゆる糞虫のなかまだ。糞の匂いを求めて森の中を飛んでいるのである。

- 写真1
- オオセンチコガネ Phelotrupes auratus(センチコガネ科)
(斉藤明子)