教室博日記 No.1880

 2020/10/26(月)

 タコノアシ

 木更津市内にて。稲刈り後の水田の畔にタコノアシが1株だけ生えていた(写真1)。

  • 写真1 畔に生えたタコノアシ

 草丈は60センチほど。茎は赤く葉は黄葉し、全体に色鮮やかな印象だ(写真2)。

  • 写真2 黄葉したタコノアシ

 放射状に広がる茎頂の花序の形が「ゆでだこ」の脚を思わせるところからタコノアシの名がある。花は終わりすでに果実になっていた(写真3)。

  • 写真3 タコノアシの果序

 果序の枝に多数の果実が並ぶ(写真4)。個々の果実は5から7つの角を持つ星型。ここにも放射状の形が見られるところが面白い。

  • 写真4 タコノアシの果実

 タコノアシはこのような湿地環境に生育する多年草だが、同じ場所に何年も続けて生えることは少なく、いつの間にか姿を消してしまう。土壌が攪乱された場所を好むためらしい。そのせいか、タコノアシとの出会いはいつだって偶然で、「おや、こんな場所に」と思うのだ。

  • タコノアシ Penthorum chinense(タコノアシ科)

(尾崎煙雄)