教室博日記 No.1910

 2021/01/29(金)

 スエヒロタケ

 山の中で見つけたハリギリの倒木にたくさんのキノコが生えていた(写真1)。

ハリギリの倒木
  • 写真1 ハリギリの倒木に生えたキノコ

 一つ一つのキノコは扁平な扇型で、縁の部分は扇の骨のように分かれている(写真2)。大きいもので長径3センチほど。これはスエヒロタケだ。

  • 写真2 スエヒロタケ

 まだ若いと思われる小さなキノコは白い毛のような鱗片に覆われていて、まるで砂糖菓子のようだ(写真3)。

  • 写真3 若いスエヒロタケ

 傘の裏側には粗いヒダがある(写真4)。

  • 写真4 傘の裏側

 スエヒロタケのヒダは二重になっている(写真5)。

  • 写真5 傘の裏側(拡大)

 枯れて浮いた樹皮のすき間から顔をのぞかせるように生えているものもある(写真6)。傘の長径1センチほどと小さく見える。

  • 写真6 浮いた樹皮のすき間から生えたスエヒロタケ

 この樹皮をそっとめくって見るとその下にはもっと大きなスエヒロタケがあった(写真7)。樹皮のすき間から見えていたのはこれの一部だけだったのだ。枯れた材の中にはスエヒロタケの菌糸が拡がっているのだろう。

  • 写真7 樹皮の下に拡がったスエヒロタケ
  • ハリギリ Kalopanax septemlobus(ウコギ科)
  • スエヒロタケ Schizophyllum commune(スエヒロタケ科)

(尾崎煙雄)