2021/01/29(金)
コアシダカグモ
山の中で見つけたハリギリの倒木(写真1)。

- 写真1 ハリギリの倒木
キノコが生え、樹皮は所々はがれかかっている(写真2)。

- 写真2 はがれかかった倒木の樹皮
何か隠れていないかと樹皮をめくってみたら、思いがけない大物が潜んでいた(写真3)。脚を含めない体長は2センチ強。これはコアシダカグモだ。近縁のアシダカグモに似ているが、やや小さく腹部の後方に黄色い斑紋があるのが特徴だ。

- 写真3 樹皮の下に隠れていたコアシダカグモ
またアシダカグモの頭部の前面には一筋の黄色い帯がある(写真4)が、コアシダカグモにはない(写真5)。

- 写真4 アシダカグモ(2020年8月22日生態園にて撮影)

- 写真5 コアシダカグモの頭部
そしてアシダカグモは人家にも入り込みゴキブリなどを餌としているのに対して、コアシダカグモはおもに森で暮らしている。千葉県はコアシダカグモの分布北限に近いが、このようなすき間に潜んで冬の寒さに耐えているようだ。
- ハリギリ Kalopanax septemlobus(ウコギ科)
- コアシダカグモ Sinopoda forcipata(アシダカグモ科)
- アシダカグモ Heteropoda venatoria(アシダカグモ科)
(尾崎煙雄)