教室博日記 No.1938

 2021/04/09(金)

 ハナイカダ

 木更津市内にて。農道脇の林縁に生えた落葉低木(写真1)。

林縁に生えた落葉低木
  • 写真1

 葉の中ほどに何かがついている(写真2)。

ハナイカダの葉
  • 写真2

 これはハナイカダだ。葉の中ほどに花が咲く独特の形を筏に乗る人に見立て、「花筏」の名を得た。花序の柄が葉柄や葉脈と癒合しているため、葉に花が咲いているように見える(写真3)。花の着いた位置の前後で葉脈の太さが違うのがわかる。

花をつけたハナイカダの葉
  • 写真3

 ハナイカダは雌雄別株で、この株は雄。直径5ミリほどの花が数個咲く(写真4)。花びらや雄しべの数は3〜4で、この花では3つずつ。

ハナイカダの花
  • 写真4

 花びらと雄しべが4つずつの花もあった(写真5)。花の中心部の「花盤(かばん)」と呼ばれる部分に分泌された蜜が水滴のように見える。

ハナイカダの花
  • 写真5
  • ハナイカダ Helwingia japonica(ハナイカダ科)

(尾崎煙雄)