教室博日記 No.1965

 2021/05/26(水)

 トガリシロオビサビカミキリの休止ポーズ

 君津市にて。ムクノキの倒木の細い枯れ枝にトガリシロオビサビカミキリがいた(写真1、2)。サビカミキリの仲間は地味でどの種も似たような感じだが、この種は比較的大型で、和名のとおり、鞘翅(しょうし)の先が尖っているのが特徴だ。

  • 写真1 ムクノキの倒木
  • 写真2 トガリシロオビサビカミキリ

 何本もある枝先に、7〜8匹はいただろうか。止まっている姿をよく見ると、なぜかどれも同じポーズ、しかも枝の節か枝分かれの部分の近くに止まっていることが多い(写真3〜6)。これらの写真はすべて別の個体である。前脚と中脚を枝に回して体を支え、触角の一部は必ず枝に触れている。風による震動では落ちないが、私が少しでも枝に触ると、不自然な震動を感じるのか、すぐにポロッと地面に落ちてしまい見失ってしまう。枝にわずかに触れた触角が危険を感知するのだろうか。すました顔をして休んでいるように見えて、常に危険を探知する姿勢をとっているのかもしれない。

  • 写真3
  • 写真4 
  • 写真5
  • 写真6
  • ムクノキ Aphananthe aspera(アサ科)
  • トガリシロオビサビカミキリ Pterolophia caudata(カミキリムシ科)

(斉藤明子)