教室博日記 No.1971

 2021/06/11(金)

 昼間のゲンジボタル

 木更津市の谷津田にて。田んぼの近くを流れる小さな沢沿いの葉上にゲンジボタルが止まっていた(写真1)。

葉上で静止しているゲンジボタル
  • 写真1

 体長は15ミリほど。ゲンジボタルは、腹部の先端にある発光器でルシフェリンとルシフェラーゼという物質を反応させて光ることが知られている。幼虫は水棲で巻き貝のカワニナを食べる。ゲンジボタルはヘイケボタルと共に、光るホタルとして日本ではだれもが知る昆虫だが、これまで生きたゲンジボタルをまじまじと見たことが無かったので体をよく観察してみた。

 腹部末端の背面は赤味を帯びている(写真2)。腹面から見ると、腹部の末端2節が発光器となっているのでこの個体は雄だ(雌の発光器は1節)(写真3)。

  • 写真2 腹部末端背面は赤味を帯びる
  • 写真3 ゲンジボタル雄の腹面

 発光器となっている腹板の色は、他の腹節が黒色であるのに対して、まばゆいばかりの純白である(写真3)。さらに、背面からでは頭部が下を向いているので判りにくいが、腹面からは目がとても大きいのがよく判る。

 夜間には発光しながら美しく飛翔する様子を見ることができるかも知れないが、昼間に出会えたからこそ、このような観察ができた。

  • ゲンジボタル Luciola cruciata(ホタル科)

(斉藤明子)