教室博日記 No.1972

 2021/06/16(水)

 オオアオゾウムシ

 市原市の谷津田にて。葉上にオオアオゾウムシを見つけた(写真1、2)。体長が15ミリほどもある大形の美しいゾウムシだ。県内に広く分布しているが、それほど個体数は多くなく、見つけるとうれしいゾウムシだ。

オオアオゾウムシ(側面)
  • 写真1
オオアオゾウムシ(背面)
  • 写真2

 全身が小さな青緑色の鱗片で覆われている。やや黄色みがかった部分もあり、特に前胸や鞘翅の側縁近く、腹面の一部などが鮮やかな黄色となる。顕微鏡で標本を観察してみると、黄色の部分には、青緑色の鱗片とは別に、表面に生えた毛に黄色い粉状のものが付着していた。この粉状のものは落ちやすいのか、黄色味は失われている個体を見かけることがある。

 この日出会ったオオアオゾウムシは羽化後それほど時間が経っていないのか、美しいままの姿だった。人が美しいと感じるこの色合いは、この虫にとって何の意味があるのか、あまりに美しい昆虫を見る時、いつも不思議に感じる。

  • オオアオゾウムシ Chlorophanus grandis(ゾウムシ科)

(斉藤明子)