2021/06/16(水)
カミキリムシ成虫2種の食痕
市原市の谷津田にて。トホシカミキリ族など一部のカミキリムシでは成虫が植物の葉を食べ、独特の食痕を残す。しかし、樹高が高くて遠かったり、敏捷ですぐに飛び立ってしまったりするので、姿を間近に見るのは案外難しい。この日は運良くシラホシカミキリとヨツキボシカミキリの姿とその食痕を撮影することができた。どちらも普通に見られるカミキリムシだが、やはりすぐに飛び立ってしまうので撮影するのは結構むずかしいのだ。
これはタマアジサイの葉上のシラホシカミキリ(写真1、2)。体長は10ミリ前後。トホシカミキリ族の中では最も普通に見られる種だ。

- 写真1

- 写真2

- 写真3 シラホシカミキリがよく集まるタマアジサイ
葉裏から葉脈をかじって葉に線状の穴を開ける(写真4)。

- 写真4 タマアジサイの葉に付けられたシラホシカミキリの食痕
顔を正面から見ると、美しい白色の毛で覆われていて、なかなかかわいらしい(写真5)。

- 写真5
2種目はヨツキボシカミキリ(写真6)。シラホシカミキリより一回り小型で、こちらはヌルデの葉を食べていた。

- 写真6
やはり葉裏から葉脈をかじるが、葉に穴を開けることは少なく、食痕は葉脈の部分が茶色く線状に変色する程度である(写真7)。

- 写真7 ヌルデの葉に付けられたヨツキボシカミキリの食痕
このように、葉脈に沿って新鮮な線状の穴や変色があれば、トホシカミキリ類が近くにいるはずだ。
- シラホシカミキリ Glenea relicta(カミキリムシ科)
- ヨツキボシカミキリ Epiglenea comes(カミキリムシ科)
- タマアジサイ Hydrangea involucrata(アジサイ科)
- ヌルデ Rhus javanica(ウルシ科)
(斉藤明子)