教室博日記 No.1995

 2021/07/29(木)

 オオゴマダラエダシャクの幼虫

 元清澄山系にて。林道を歩いていると空中にイモムシがぶら下がっていた。ぶら下がっているイモムシや毛虫を見かけることはそれほど珍しいことではないが、こんな異様な姿のイモムシを初めて見た。ちょうど顔の高さにぶら下がっていたので手の上に乗せてみた(写真1、2)。

手の上に乗せたオオゴマダラエダシャクの幼虫
  • 写真1
手の上に乗せたオオゴマダラエダシャクの幼虫
  • 写真2

 このイモムシは頭の後ろが風船のように膨らみ、そこに大きな目玉模様を持っている。帰ってから調べてみるとオオゴマダラエダシャクというシャクガ科の幼虫だった。成虫は写真3。

  • 写真3 オオゴマダラエダシャクの成虫(清澄山系にて2021年8月5日撮影)

 何かに襲われたのか、うっかりなのか、食樹の枝から落ちてしまい、自分で吐いた糸を手繰って上の枝に戻ろうとしている最中なのだ(動画)。

  • 動画

 手繰った糸は丸めて胸に抱えている(写真4)。

手繰った糸を丸めて胸に抱えているオオゴマダラエダシャクの幼虫
  • 写真4

 撮影している間にも必死で糸を手繰り、いつのまにか私の背よりだいぶ高くまで上っていた。案外早く登れるものだと感心したが、上を見上げると木の枝まではまだまだ先が長い。いつまでも見ていられないのでその場を離れたが、無事に戻れただろうか。

  • オオゴマダラエダシャク Parapercnia giraffata(シャクガ科)

(斉藤明子)