教室博日記 No.2001

 2021/08/05(木)

 ヒメコマツ球果の調査

 この日はヒメコマツの調査を行った。千葉県内では絶滅が危惧されるヒメコマツの数少ない生存個体の球果(松ぼっくり)の数を調べて繁殖状況を記録することが目的だ。高さ15メートルを超える樹冠部になる球果を見るためには木に登る必要がある。写真のようにロープやいくつかの器具を使って木に登った(写真1)。

  • 写真1

 樹冠にたどり着くと、枝先近くに長さ4センチほどの球果がついているのが見える(写真2)。このように立派な球果がたくさんついていると、順調に種子を生産していることがわかり安心する。

  • 写真2

 さらに枝の先端には今年5月に咲いた雌花が長さ1センチほどの茶色い小さな幼球果となっている(写真3)。これは来年の今ごろに成熟した球果となるものだ。幼球果が多ければ来年の豊作が期待できるので、幼球果の数も重要。

  • 写真3

 地上十数メートルの樹上は風も爽やかで涼しい。樹上世界で30分ほど過ごして地上に降りると、下界の蒸し暑さに辟易する。

  • ヒメコマツ Pinus parviflora var. parviflora(マツ科)

(尾崎煙雄)