2021/08/09(月)
ヒメコマツ倒木
県内では絶滅が危惧されているヒメコマツの調査のために房総丘陵の最奥部の山に分け入った。目指すヒメコマツの生える尾根にたどり着くと、あろうことか目的のヒメコマツが倒れていた(写真1)。一昨年の9月に房総半島を襲った令和元年房総半島台風(台風15号)の強風によるものと推察される。

- 写真1
このように根が浮いてしまうような倒れ方を「根返り」という。尾根上の薄い土壌にかろうじて根を張り生き残っていたものが強風に耐えきれず根返りを起こしてしまったようだ(写真2)。

- 写真2
房総丘陵に100本以下しかない貴重なヒメコマツの1本が記録的な台風によって失われてしまったことは残念だが、このような自然災害は大昔から繰り返されてきたはず。災害があっても絶滅しないレベルまで個体数が増えてくれることを願うばかりだ。
- ヒメコマツ Pinus parviflora var. parviflora(マツ科)
(尾崎煙雄)