教室博日記 No.2008

 2021/08/12(木)

 トゲアリに囲まれたムネアカオオアリ

 高宕山系にて。クヌギの樹皮上で一匹のムネアカオオアリを囲むトゲアリの群れを見つけた。良く見ると中心のムネアカオオアリはトゲアリに四方からくわえられて身動きが出来なくなっている(写真1)。群れに大きな動きは無く小康状態という感じだ。

  • 写真1 トゲアリに囲まれたムネアカオオアリ(中央の胸部が鮮やかな赤色のアリがムネアカオオアリ)

 トゲアリは自分で巣を作らず、女王がクロオオアリやムネアカオオアリなど他のアリの巣を乗っ取るというが、ここでムネアカオオアリを囲んでいるのはトゲアリの働きアリだ。この後、このムネアカオオアリをどうしようというのだろうか。アリの行動は謎が多い。

  • クヌギ Quercus acutissima(ブナ科)
  • ムネアカオオアリ Camponotus obscuripes(アリ科)
  • トゲアリ Polyrhachis lamellidens(アリ科)
  • クロオオアリ Camponotus japonicus(アリ科)

(斉藤明子)