教室博日記 No.2020

 2021/09/10(金)

 コスカシバ幼虫

 木更津市内にて。川沿いに植えられたソメイヨシノの幹から樹液が出ていた(写真1)。

  • 写真1

 樹液は半透明で、指先で触ると柔らかいゼリーのような質感であった(写真2)。とくに匂いはない。これはコスカシバというガの一種の幼虫の仕業だ。コスカシバの幼虫はサクラ類の幹に穿入し、樹皮下の組織を食べる。食われたサクラはこのようなゼリー状の樹液を分泌する。

  • 写真2

 樹液の色は多様で、琥珀色から黒に近い褐色のものもある(写真3)。

  • 写真3

 樹液の中にところどころ見える小さな粒は、おそらく幼虫の糞(写真4)。

  • 写真4
  • ソメイヨシノ Cerasus x yedoensis(バラ科)
  • コスカシバ Synanthedon hector(スカシバガ科)

(尾崎煙雄)