2021/11/18(木)
シモフリスズメの蛹
南房総市の山中にて。林道脇の土を崩すと、浅い所に6センチ程もあるだろうか、巨大な蛹を見つけた(写真1)。

- 写真1
頭部にある後方に向いた長い突出物の形から、シモフリスズメというスズメガ科の蛹のようだ。スズメガの蛹には、幼虫と同様に末端に突起があるのが特徴だが、スズメガのうち、このシモフリスズメやエビガラスズメの蛹には、頭にゾウの鼻のような部分がある(写真2、3)。

- 写真2 シモフリスズメの蛹(右が頭部)

- 写真3
この部分は小鰓環(しょうさいかん)と呼ばれ、長い口吻(こうふん:ストロー状の口器)が収納されている。
成虫は、夜間ホバリングしながら体長と同じ程の長い口吻を伸ばして花の蜜を吸うらしい。それほど長い口吻がこの15ミリほどの小鰓環にどのように収納されているのだろうか。
- シモフリスズメ Psilogramma increta(スズメガ科)
- エビガラスズメ Agrius convolvuli(スズメガ科)
(斉藤明子)