教室博日記 No.2068

 2022/02/09(水)

 二枚の殻がそろったアカガイの化石

 富津市内にて。この場所では、数千年前の内湾にたまった泥の中に貝化石が観察できる。崖下に大きな二枚貝の化石が落ちていた(写真1)。

  • 写真1 崖下に落ちていたアカガイの化石(スコップの柄の長さは約10.5センチ)

 水で洗って泥を落としてみると、アカガイだった(写真2)。

  • 写真2 水で洗ってきれいになったアカガイの化石

 殻長13センチくらいと大きい。小さな個体は殻が薄くて脆いが、成長すると殻が重厚になり、全体的にどっしりとした印象になる。膨らみが強いため、二枚の殻が合わさった状態では心形で、意外とかわいらしい(写真3)。

  • 写真3 二枚の殻を合わせると、心形でかわいらしいアカガイの化石

 アカガイは現在の東京湾にも生息している。寿司ネタとして有名なおいしい二枚貝だ。数千年前の富津産アカガイもおいしかったに違いない。

  • アカガイ Scapharca broughtonii(フネガイ科)

(千葉友樹)