フィールドノート No.2112

 2022/05/22(日)

 ムギラン

 房総丘陵にて。岩壁に着生したムギラン(写真1)。

  • 写真1

 この株には花がついていた(写真2)。この写真のほぼ中央に花のつぼみが写っているのだが、なかなか気づかないだろう。

  • 写真2

 ムギランの茎は球状にふくれていて「球茎」と呼ばれる。その先端に長さ1〜2センチほどの楕円形の葉がついている(写真3)。この球茎の付け根から花茎が伸び、先端にごく小さな花をつける。写真3の中央に1個のつぼみが写っている。

  • 写真3

 そしてこちらが開いた花(写真4)。3枚のがく片は長さ2ミリほど。その中にラン科の花特有の唇弁(しんべん)が見えているが、とてもランの花とは思えない。虫媒花とされているが、いったいどんな虫が訪れるのだろう。

  • 写真4

 ムギランは国内では東北地方から九州に分布し、千葉県を含む各地で絶滅危惧種に指定されている。また、国外では中国と朝鮮半島に分布する。

  • ムギラン Bulbophyllum inconspicuum(ラン科)

(尾崎煙雄)