フィールドノート No.2134

 2022/06/24(金)

 ジャコウアゲハの幼虫

 旧三島小にて。丸々としたジャコウアゲハの終齢幼虫がオオバウマノスズクサの葉を食べていた(写真1〜3)。黒と白のなかなか堂々とした姿だ。

  • 写真1 オオバウマノスズクサを食べるジャコウアゲハ幼虫
ジャコウアゲハ幼虫
  • 写真2
ジャコウアゲハ幼虫
  • 写真3

 ウマノスズクサ類は昆虫による食害を防ぐために毒を含んでいる。ジャコウアゲハの幼虫はウマノスズクサ類のみを食草とし、その毒をものともせず毒を体にため込む。成虫になっても体の中に毒が残り、鳥などの捕食者は一度食べるとその後、この不味いチョウを襲わなくなる。

 外敵のいないジャコウアゲハの成虫は、怖いものがないのか、腹部の赤い色を目立たせながらいつもゆったりと飛んでいる(教室博日記No.823)。食草の毒を逆に利用するとは、このチョウの生存戦略は驚きだ。

  • ジャコウアゲハ Byasa alcinous(アゲハチョウ科)
  • オオバウマノスズクサ Aristolochia kaempferi(ウマノスズクサ科)

(斉藤明子)