フィールドノート No.2135

 2022/06/24(金)

 キイトトンボの連結産卵

 旧三島小の体育館の隣には人工の小さな池がある。この池の周辺では、鮮やかな黄色が美しいキイトトンボが多く見られる。(写真1)。このトンボは千葉県では近年減少していると言われているが、この池では多数発生しているようだ。

  • 写真1 キイトトンボ(2021/7/9 旧三島小にて撮影)

 この日、この池では多くのキイトトンボがどれもペアになって産卵していた(写真2)。

  • 写真2 キイトトンボの連結産卵

 写真2のとおり、キイトトンボはオスとメスが連なりながら産卵する。上にいるのがオス、下がメス。オスは腹部末端にある付属器でメスの前胸をつかんでいる。このオスの行動は、自分が交尾したメスが他のオスにとられないよう「警護」していると考えられている。

 産卵の様子を見ていると、メスは場所を変えながら何度も水中の水草の組織内に卵を産み付けているが、その間、オスはずっとメスの上に直立している。メスの産卵中、オスは直立のまま翅を閉じてじっとしているが、メスには重たそうだ。メスが飛ぶときはオスも羽ばたいているようだが、メスの飛びたい方向へ向かってうまく羽ばたいているようには思えない。メスにとって頭上のオスは、どう見ても迷惑そうだが、他のオスに産卵を邪魔されることよりもマシなのだろうか。

  • キイトトンボ Ceriagrion melanurum(イトトンボ科)

(斉藤明子)