フィールドノート No.2156

 2022/08/05(金)

 カタビロトゲハムシ

 一宮町にて。アラカシ葉上に真っ黒な甲虫が止まっていた。カタビロトゲハムシ、体長は5ミリほどのハムシ科の甲虫だ(写真1)。

アラカシ葉上のカタビロトゲハムシ
  • 写真1

 アラカシの葉についた線状の傷は、この虫が葉の表面を囓った痕(食痕)だ(写真2)。

カタビロトゲハムシの食痕
  • 写真2

 標本写真(写真3)を見るとよくわかるが、小さいながら、前胸と上翅(前翅)にたくさんの鋭い棘を持つ素晴らしい造形の甲虫だ。トゲハムシ類は「トゲトゲ」とも呼ばれ、この種はカタビロトゲトゲとも呼ばれる。余談だが、棘の無いトゲハムシを「トゲナシトゲトゲ」、さらに棘のあるトゲナシトゲトゲが「トゲアリトゲナシトゲトゲ」(日本には産しない)と呼ばれたりと、一部で話題となる虫なのだ。

  • 写真3 2020年4月26日中央博物館生態園(千葉市)で採集(標本番号CBM-ZI 177971)
  • アラカシ Quercus glauca(ブナ科)
  • カタビロトゲハムシ Dactylispa subquadrata(ハムシ科)

(斉藤明子)