フィールドノート No.2169

 2022/09/05(月)

 バクチノキの花

 鴨川市内にある県指定天然記念物のバクチノキ群生地を訪れた(写真1)。

  • 写真1 天然記念物の標識

 バクチノキは橙色の幹の色が特徴的で、暗い森の中でもすぐにわかる(写真2)。

  • 写真2

 バクチノキの幹の灰褐色の外皮ははがれ落ちやすく、はげた内側が橙色をしている(写真3)。この様子を「博打(ばくち)に負けて身ぐるみはがれた」と見立ててバクチノキの名がある。

  • 写真3 バクチノキの樹皮

 バクチノキはサクラに比較的近縁だが、葉は常緑で、花の時期は9月。葉腋(ようえき;葉の付け根部分)に長さ数センチの白いブラシ状の花序をたくさんつける(写真4、5)。

  • 写真4
  • 写真5

 ひとつひとつの花は直径7ミリほどで、丸く白い花弁が5枚、花の中心に1本の雌しべ、その周囲に多数の長い雄しべがあって花から突き出しているので全体としてブラシのように見える(写真6)。

  • 写真6
  • バクチノキ Laurocerasus zippelina(バラ科)

(尾崎煙雄)