フィールドノート No.2174

 2022/09/16(金)

 リュウキュウマメガキの「柿の種」

 清澄山系にて。尾根に黒く丸いものがコロコロ落ちていた(写真1)。

尾根に落ちていた黒く丸いもの
  • 写真1

 だいぶ古くなっているがリュウキュウマメガキの果実のようだ。名前に「琉球」とついているが、関東地方以西から沖縄まで分布する。果実はまさに「小さな柿の実」で、こちらは「豆柿」の名前にふさわしい(写真2)。

  • 写真2 若い果実(2022年7月28日清澄山系で撮影)

 果実が落ちているのだから近くに親の木があるはずだ。見回すと黒っぽい樹皮の木があった。これのようだ(写真3、4)。

樹皮が黒っぽいリュウキュウマメガキ
  • 写真3
リュウキュウマメガキ
  • 写真4

 この日拾った果実はかなり古い感じだったので、昨年落ちたものと思われる。割って中を見ると、あまり状態がよくないものの種子が入っていた(写真5)。

  • 写真5 種子(1目盛1ミリ)

 柿の種子といえば、有名なお菓子の「柿の種」が思い浮かぶ。モデルになったと思われるカキノキ(食用の柿)の種子と並べてみた(写真6)。

  • 写真6 下から、リュウキュウマメガキ種子、カキノキ種子、お菓子「柿の種」

 リュウキュウマメガキとカキノキの種子は幅広だが、「柿の種」は細長い。調べたら、カキノキには種子が細長い品種があって、「柿の種」はそれをモデルにしているらしい。お菓子とそっくり、という写真を撮る目論見は外れたが、柿の仲間の種子の大きさや形は様々なのだな、と「柿の種」を食べながら思った。

  • リュウキュウマメガキ Diospyros japonica(カキノキ科)
  • カキノキ Diospyros kaki(カキノキ科)

(西内李佳)